2019年4月1日をもって、サステイナビリティ学連携研究機構は、東京大学未来ビジョン研究センターに組織統合しました。本アーカイブサイトはリンク等が正常に機能しない場合があります。最新の活動状況は、IFIウェブサイトをご覧ください。
2018年12月19日(水)
今回、物質・材料研究機構(NIMS)、東京大学、広島大学の共同研究により、太陽光発電、蓄電池、水電解を最適にシステム化することで国内の再生可能エネルギーからの安価な水素製造の可能性を示しました。再生可能エネルギーの出力変動の対策として、再生可能エネルギーの電力から水素を製造し、貯蔵・利用する「P2G(Power to Gas)システム」が検討されています。これまでにも蓄電池の援用自体は多くの提案や報告がなされてきましたが、コスト高になると結論づけられていました。本研究チームは、現在の常識や技術レベルを踏まえつつも、それらに縛られない将来におけるあるべき姿や今後の性能・特性の向上を織り込んだ技術レベルを想定し、システムの最適解を網羅的に探索することにより、蓄電池を援用することでシステムの経済性を向上させることができることを明らかにしました。得られた結果から、例えば海外からの水素製造に比肩する水素製造コストを実現するためのそれぞれの技術のコストレベルや蓄電池の充放電速度など、システムを構成する要素技術に求められる特性レベル、すなわち要素技術の研究開発の目標値を明らかにすることもできました。
当機構の菊池康紀准教授らを中心としてまとめられた本成果の論文が、国際誌「Hydrogen Energy」に掲載されました。
題目:Battery-assisted low-cost hydrogen production from solar energy: Rational target setting for future technology systems
著者:Yasunori Kikuchi, Takayuki Ichikawa, Masakazu Sugiyama, Michihisa Koyama
雑誌:International Journal of Hydrogen Energy
掲載日:2018年12月13日
詳細な研究内容は、東京大学新領域創成科学研究科のプレスリリースよりご覧ください。