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2010年4月11日(日)
開催日 | 2010年4月11日 |
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講師: 東京大学サステイナビリティ学連携研究機構准教授 福士謙介
概要:
2011年3月11日に発生した東日本大震災は、1000年に一度と推定される巨大津波の発生を伴い、死者1万5千人以上、行方不明者8千人以上という未曾の大災害となった。報告者は(社)土木学会の第一次総合調査団団員として、2011年3月27日から4月7日にかけて、国交通省、同東北地方整備局を通じた各自治体の支援を受けつつ、構造、地盤、交通、環境、地域等総合的に緊急派遣部隊として現地を報告することを目的に現地調査を行った。
本報告では主に、震災の概要、現地状況報告、ライフラインを中心とした回復状況報告について報告がなされた。構造物の被害状況については、地震動による被害は地震規模を考慮すると相対的に軽微であったものの、洪水による被害が甚大であった。道路施設の被害も深刻であったが、初動時に集権的指示系統に基づく迅速な対応がなされたことに加え、「くしの歯作戦」という明確なゴール設定を行った復旧活動により、早期の回復がなされた。しかしながら、油槽所、港湾、道路の寸断などが震災当初の物流の制約となり、被災地におけるエネルギー不足、生活消費財の不足を引き起こし、緊急時のエネルギー供給体制、ロジスティックス等の再検討や、効率重視の生産・ロジスティックス体制の見直しの必要性が指摘される。