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2010年5月20日(木)
開催日 | 2010年5月20日 |
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講師: 東京大学地球持続戦略研究イニシアティブ 特任研究員 楽奕平
概略:
コンテナ港湾における貨物取り扱い量の地理的な集中と分散に関する日中韓各国の戦略に関する研究であり、地理的・経済的な要因を考慮した集中と分散の水準を定量的に把握する指標を構築することにより、国家規模の異なる複数国間の比較を行うこと、及びその差異を生む要因と考えられる政策の背景にある思想を考察することを目的としている。
まず、港湾取扱量の市場のシェアを把握する指標に、市場間の重なりの度合を考慮するための「距離」の要素、国全体の輸送需要規模を考慮するための「国際貿易量」の要素、内陸輸送の効率の要素を加えて指標を構築した。次に、指標により、日中韓の各国の港湾のコンテナ貨物取扱量の集中度・分散度を時系列的に分析し、さらに、これらの傾向が、各国の港湾整備政策、港湾管理制度からどのような影響を受けているのかについて各国の政策・制度を比較することを通じて考察した。特に、国際競争力の強化・港湾効率性の向上と国土の均衡発展・地域振興といった背景を持つことが考えられるが、そういった各国の政策の背景となっている思想を考察し、政策の実現性を論じるための示唆を与える。