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2009年2月12日(木)
開催日 | 2009年2月12日 17:00-18:30 |
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会場 | 東京大学東洋文化研究所第一会議室 |
主催 | TIGS, ASNET, AGS |
『日本の輸入食品・国産食品の安全と安心』
講師:小野寺 節氏(東京大学 農学生命科学研究科)
<概要>
日本では、特に1970年代から80年代にかけて、食生活の近代化・欧米化が急速に進行し、海外からの安価な輸入食品も増大した。その結果、栄養バランスや健康面での様々な問題が発生しただけでなく、食料自給率の急速な低下をもたらした。
日本のカロリーベースの食料自給率は昭和40年には73%であったが、平成18年には39%にまで低下している。特に穀物については、平成14年における自給率が28%と、世界でも群を抜いて低いレベルである。
更に、日本のフードマイレージは、世界で最も大きなものとなっている(アメリカ合衆国の7倍、ドイツの3倍、イギリスの2倍)。
このような状況において見直すべきは、その土地で採れた農作物を食べることが身体に最も良いという「身土不二」の精神であり、日常的にその土地で採れた野菜等をふんだんに入れた汁物、煮物を食するという食生活である。
このことは、平時における食料の安定供給のみならず、不測時の食料安全保障にも結び付くことなのである。