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2008年12月24日(水)
開催日 | 2008年12月24日 |
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講師: Prof. B. M. Kumar(Kerala Agricultural University)
概略:
森林保全と持続可能な生態系管理の概念は、古代には多くの文明において培われていた。例えば、ヒンズー教の経典には、森林管理や暗黙の概念としての「持続可能性」に関する記述が多くみられる。古代インドにおける村は、常に森林とともにあり、農業の発達とともに進化したが、それよりもさらに長期にわたり、農業生態系は森林と調和を保っていた。20世紀に入り、農林業が高収率と高収益を目指し集約化すると、伝統的な持続可能性と保全の精神は見落とされ、深刻な環境問題を引き起こした。しかし、近年、伝統的な持続可能な生産システムが見直され、アグロフォレストリーのような統合的な土地利用の持続可能性への有効性が徐々に再認識されつつある。アグロフォレストリーは、単一作物栽培に替わる持続可能な農業を可能とするとともに、景観や経済において社会・環境面における便益をもたらす。我々は、早急に、現在の商品作物中心の農業の枠組みから持続可能な農業への転換を目指さなければならない。