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2008年12月19日(金)
開催日 | 2008年12月19日 |
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講師: 高崎経済大学教授 水口剛
概略:
1990年代より、社会的責任投資(SRI:投資先事業の環境的側面や社会的側面も評価に含めた投資行動)が重要視されるようになり、SRI型投資信託の普及などにより、その市場規模は拡大している。また、2006年には国連により責任投資原則(PRI)が提唱され、欧米各国の年金基金をはじめとする機関投資家により実践されている。これらの「責任ある投資」の意義は、(1) 環境問題・社会問題の考慮は投資利益に貢献するということ、(2) 企業行動への影響を通じて投資収益の基盤を守ること、(3) 持続可能な社会の実現自体が投資家の利益となること、と考えられる。しかし、これらが実際に実現するかどうかはこれからの課題であり、今後、受託者責任の考え方の整理や環境・社会に関する投資家向け情報開示の充実化など、政府の政策的リーダーシップが求められるであろう。