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2008年6月16日(月)
開催日 | 2008年6月16日 |
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講師: イースト・アングリア大学 キース・トーヴィー
概略:
エネルギー安全保障と地球温暖化の問題は密接に絡み、ときに難しい選択をつきつけています。今回は特に英国の例に照準を合わせて話します。
人為起源による地球温暖化は観測・モデル研究を組み合わせた結果、非常に確かなものだということが分かってきており、英国では人々の生活に直結する降水量の変化も観測されています。温暖化を抑えるには化石燃料起源の二酸化炭素を減らすことが重要で、環境に優しいエネルギー源を使うことが大事です。
英国はどうすればよいでしょうか?原子力発電は当面は減ることになるため、省エネを大幅に行っても、エネルギー需要と供給量に大幅な乖離が生じます。これを埋めるには大量の天然ガスを使う必要がありますが、問題は、2004年以降英国は天然ガスの輸入国になったということです。今後ますます輸入が増えるのはエネルギー安全保障の観点から望ましくありません。
二酸化炭素を減らすためには様々なレベルでの対策が重要です。地域コミュニティを取り込んでの意識啓蒙、エネルギーマネジメントの向上、省エネ、そして再生可能エネルギーの導入など多層的な取組が重要です。イースト・アングリア大学では環境配慮型建築の推進など様々なことに取り組んできました。中でもCRed(Carbon Reduction Programme)は地域で二酸化炭素排出量を60%減らすという試みでして、着実に成果を上げつつあります。また世界で初めて戦略的炭素マネジメントについてのビジネス・スクールのコースを開講しました。