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2007年2月20日(火)
開催日 | 2007年2月20日 17:00-18:30 |
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会場 | 東京大学医学部教育研究棟2階・第4セミナー室 |
主催 | TIGS, ASNET, AGS |
『イスラーム教徒と食』
講師:羽田 正氏、森本 一夫氏(東京大学 東洋文化研究所)
<概要>
概論(羽田氏)
イスラーム教の根本原理
飲食についての原則
イスラーム教徒の食とグローバリゼーション
各論(森本氏)
イランでは何が食えるのか?~イランの乾燥した高原における食文化を紹介。
羽田先生へのインタビュー
<イスラーム文化からみたサステイナビリティとは?>
サステイナビリティは、「イスラーム文化」とか「~文化」とは関係なく、現在人間がもっとも真剣に考えなければならないことだと思います。サステイナビリティとは、きわめて今日的な概念です。イスラーム教が生まれたのは、今から1500年も前のこと。そのころはまだ地球の大きさも世界の形も定かではありませんでした。そのような時代にサステイナビリティ的な考え方が存在するはずはありません。神は人間においしいものを好きなだけ食べろと言っているのです。現代に生きるイスラーム教徒の中には、サステイナビリティという概念を大事だと思い、それに近い考え方をイスラーム教の根本聖典である『コーラン』や『ハディース』の中に見出そうとする者がいるかもしれません(私はその具体例を知りませんが)。しかし、それはあくまでもイスラーム思想の現代的な解釈にすぎないと思います。ただし、イスラーム教徒の多くが住むのは、いわゆる発展途上国ですから、そこでサステイナビリティについて理解し、その方向で努力している人はおそらくきわめて限られているだろうと思います。
<日本、アジアが果たす役割は?>
学術研究においては、新たな視点、方法によって既成学問の枠と到達点を超えることだと思います。一般論としては、欧米の常識や行動様式とは必ずしも一致しない別の有力な価値観が存在することを世界の人々に分かってもらうこと、また、世界の人々に元気を与えることだと思います。
<若者に向けてひとこと>
中国、韓国や東南アジア、それに中東の若者とより一層の交流を!
<大人に向けてひとこと>
アジア各地からの留学生を「ひいき」しましょう。欧米からの留学生は放っておいても誰かが必ず面倒をみてくれます。