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2006年12月6日(水)
開催日 | 2006年12月6日 17:00-18:30 |
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会場 | 東京大学医学部教育研究棟2階・第4セミナー室 |
主催 | TIGS, ASNET, AGS |
『BRICsの経済成長と世界の食料』
講師:川島 博之氏(東京大学 農学生命科学研究科)
<概要>
川島先生へのインタビュー
<経済成長と食料問題からみたサステイナビリティとは?>
食料危機は貧しい国で起こります。食べ物は世界中に溢れているので、お金さえあれば買うことが出来ます。これが食料問題の本質です。現在、先進国を中心に食べ物は余っています。余っているからWTO交渉やFTAで問題となるのです。足りないものなら喜んで外国から買います。日本やヨーロッパは余っているから買いたくないのです。アメリカやオーストラリアは、農産物が大幅に余っているから外国に売りたいのです。この状態がもう半世紀以上も続いております。貧しい国でも豊かになれば、食べ物を買うことが出来ます。輸送手段の発達により世界の食料貿易量は増加の一途を辿っております。お金さえあれば、いつでも、なんでも買うことができます。世界は大きな市場と言えます。お店の人は、お客さんがお金を払ってくれれば、どんなお客でも良いのです。北朝鮮は問題のある国だと思いますが、その北朝鮮だって、お金があれば食べ物を買うことが出来ます。売ってくれる国はいくらでもあります。北朝鮮が食料で困っているのは食料を買うお金がないからです。だから、現在貧しいアフリカの国々においても、経済成長が続けば、飢えに苦しむ人は少なくなくなります。そもそもアフリカには多くの農地があるので、国が豊かになれば肥料を買うなど農業生産を高めることは容易です。また、飢饉がきてもお金の蓄えがあれば、買うことができます。地球は90億人ほどの人口なら楽に養うことができます。食料についてのサステイナビリティは高いと考えています。
<日本、アジアが果たす役割は?>
英国が発信する情報は米国が発信する情報より、なんとなく信頼性が高いと、世界の多くの人々が感じています。BBC放送やタイムスなどの新聞、またジェーン海軍年鑑などの信用も高いようです。アジアの中で日本はいち早く先進国となりましたが、今世紀アジアの国に先駆けて、いち早く高齢化社会を迎えます。人口が多く若さに溢れるアジア諸国と同じ土俵で争っても、疲れるだけです。20世紀末に絶頂を迎えた日本の21世紀は、19世紀末に絶頂を迎えた大英帝国の20世紀から学ぶところが多いはずです。20世紀において、大英帝国は米国に世界の指導的地位を渡しましたが、一言うるさい存在として世界から一目おかれています。アジアに向けて信頼できる、さすがトウキョウ発の情報だと言われることが、日本が21世紀にアジアに対してできる貢献なのでは。
<若者に向けてひとこと>
なにか言えるほど、深い考えがあるわけではありません。
<大人に向けてひとこと>
なにか言えるほど、深い考えがあるわけではありません。