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2006年9月25日(月)
開催日 | 2006年9月25日 17:00-18:30 |
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会場 | 東京大学第二本部棟IR3S会議室 |
主催 | TIGS, ASNET, AGS |
『スターバックスのコーヒーはおいしいか』
講師:池本 幸生氏(東京大学 東洋文化研究所)
<概要>
池本先生へのインタビュー
<コーヒーからみたサステイナビリティは?>
現在、世界では過剰にコーヒーが生産されています。その結果、コーヒーの価格が暴落し、経済的にはサステイナブルでなくなりました。それだけでなく、過剰生産によって、コーヒーの品質も悪化しています。 人々は昔から、コーヒーを生産する際に、Shade treeという工夫をしてきました。コーヒーは熱に弱いため、コーヒーの木の上にもっと背の高い木を植えるのです。特にアラビカ種の生育には重要なものでした。このShade treeは、Bird-friendly(高い木に渡り鳥が飛んでくるので、鳥にとってもやさしい)ということにもつながります。しかし、90年代以降から、Shade treeを植えなくても育つ丈夫なアラビカが作られるようになり、環境にはやさしくない農園が作られるようになりました。世界には、コーヒーの開発によって、山が丸裸になってしまっているところもあるのです。 今、経済と環境のサステイナビリティを考える上で大切なことは、コーヒーの過剰生産を抑えることだと思います。そのためには、われわれが「美味しいコーヒーとは何か」を知ることです。美味しいコーヒーを作るには、人間の手間がかかります。手間をかければ、供給も減り、経済的にサステイナブルです。また、生産を抑えるためには、Shade treeを植えたほうがいい。例えばベトナムでは、Shade treeのためにドリアンの木を植えています。これは、環境にとってサステイナブルなだけでなく、農民にとってコーヒー以外の重要な収入源になるという効果も生み、経済的にもサステイナブルです。
<若者に向けてひとこと>
たくさんコーヒーを飲みましょう。スターバックスのコーヒーを飲んでみましょう。
<大人に向けてひとこと>
美味しいコーヒーを飲みましょう。美味しいコーヒーがわかれば、環境と経済のサステイナビリティにもつながります。