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2006年6月22日(木)
開催日 | 2006年6月22日 17:00-18:30 |
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会場 | 東京大学山上会館201・202号室 |
主催 | TIGS, ASNET, AGS |
『食文化を考える』
講師:住 明正氏(東京大学 地球持続戦略研究イニシアティブ統括ディレクター・教授)
<概論>
「アジアの食文化とグローバリゼーション」談話会の立ち上げについて
多様な気候や風土に彩られたアジア各地では、土地ごとに適した食材や調理の方法と器具が開発され、特色ある食文化が発達した。これらは互いに影響を与えあいながら、やがてその多くが国民国家ごとの料理として体系化された。世界の一体化が進む今日、食材、器具、調理人など食に関わる要素の多くは商品化され、個々の地域を越えて世界各地に運ばれている。食文化の世界標準化が進行し、中国料理店、フランス料理店やマクドナルドに代表されるファーストフード店は世界のどこにでも見られる。しかし、その一方で、世界共通であるかに見える食べ物も、地域によって微妙に味付けが異なっている。土地に根付いた個性ある食文化を発掘し、それを強調しようとする風潮も強い。
アジアにおける食文化の現状は、グローバリゼーションとの関わりの中でどのように理解するべきなのだろうか。また、アジアにおける食文化に注目することによって、現代世界が抱えている問題のいくつかに新しい角度から光を当て、それらの解決方法を提案することができないだろうか。
このような問題意識を共有するこの談話会では、毎回参加者の一人が広い意味でアジアの食文化とグローバリゼーションに関わる話題を提供し、出席者がそれを材料に自由に議論を展開する。具体的なテーマとしては、食物生産と環境、農場経営、食材の種類、流通と販売、調理方法や器具、料理の種類、料理店の分布や経営、食事と栄養、食の歴史、食習慣、食の思想などが想定されるが、「アジアの食文化とグローバリゼーション」と接点を持つ限り、どのようなテーマでも歓迎される。この会は、すぐに成果を出すための共同研究ではない。自由闊達な議論によって、出席者が知的刺激を受け、新しい知識や自らの研究テーマのヒントを獲得できるような談話会を目指したい。
世話人:
浅尾修一郎(サステイナビリティ学連携研究機構)
住明正(気候システム研究センター、AGS推進室長)
羽田正(東洋文化研究所、ASNET推進室長)