たい焼きは、尻尾から食べるか、頭から食べるか。あまりいないと思いますけれど、腹から食べるか、背から食べるか。
人には、それぞれ小さなこだわりがあるようです。
弁当のフタをあけて、まず、フタに付いたご飯粒から食べるのが、中学生のころからのこだわり。ひと粒たりとて残しません。
最近のこだわりは、エスカレーターの右側を歩かない。
基本は階段を使い、エスカレーターに乗るときは左側でじっと動きません。
関西では、左右逆になるようですが、急いで歩いて上る人のために片側を空ける習慣がいつの間にか定着しました。片側を空けるのを初めて経験したのは30年ほど前のロンドンの地下鉄でした。そのときに、日本でも早く見習えばいいと思ったものです。ですから、ついこの間までは、私も、エスカレーターの右側を駆けるように上ったり降りたりしていました。
しかし、ある日、左半身が不自由で、エスカレーターの右側につかまりながらようやく乗って、それから左側に移動して右側を空けようとしている人を目の前で見ました。通行の邪魔になるまいと懸命になっている姿に、絶対に右側を歩くまいと、その場で決めました。
ちなみに、今日たまたま買ってきたたい焼きには、尻尾から食べてくださいと書いてありました。尻尾まであんこが入っているのを実感してほしいからということです。
私は、尻尾まであんこが入っているときは尻尾から食べ、尻尾にあんが入っていなければ、最後に尻尾を食べます。あっさり終えられて、それもまたよいものです。
別のこだわりとしては、まずお茶を一口すすってから、たい焼きに取り掛かりたいというのがあります。