ここ2週間ほど、ある一つの問題でばかばかしい時間の浪費を余儀なくされました。世界中で膨大な数の人がきっと同様のことを強いられ、まだ問題から解放されていない人が大勢いるはずです。大袈裟な話ではありません。あるウイルス対策ソフトの不具合です。それも実に大手のソフトです。
あるとき突然、家のパソコンがインターネットに接続できなくなりました。つい数時間前に使ったときには何でもなかったのに、再起動したら駄目になっていました。
あれこれやってみてもつながらないので、原因はモデムにあると考えました。パソコンは正常に動いているようで、インターネットの接続だけがうまくいかないのです。モデムは10年ほど使っていて、その間にパソコンは3代もかわっているという古いものです。
そこで、モデムを初期化し、再設定しようとしました。しかし、パソコンがモデルを認識してくれません。いよいよモデムが壊れたと疑いました。
ここでの選択肢は、モデムを買い換えるか、それともこの際、ADSLから光に乗り換えるかです。気持ちはほぼ光の方に傾きました。新規契約をすると、小型のノートパソコンが無料でもらえるというのがあるからです。
しかし、たまたま体調不良によって、それからしばらくの間、家電量販店に行く元気がなく、ぐずぐずと10日ほどが経ちました。ときどき思い出しては、再接続を試みて、毎回、挫折し、ネットのない不自由さに困らされました。
そして、いよいよ元気が回復し、今日こそは家電量販店に行くぞと思った日に、ウイルス対策ソフトの不具合によってネットワークに接続できなくなる事故が起きていることを知りました。ソフト会社から、謝罪と解決方法に関するメールがユーザに送られたのが事故発生から12日後のことで、ちょうど私が量販店に行こうとしていた日でした。もちろん家のパソコンではメールが受信できないので、外で緊急のメールがないかだけをチェックして、それをでたまたまうまく読めたのです。半日でもずれていたら、後の祭りでした。
解決方法に従って対処することで、ネットにつながるようになりました。ウイルス対策ソフトを再インストールするところまで完了するには3時間ほどかかりました。
腹が立ったので、滅多に見ない「2ちゃんねる」で、この問題をどう言っているのかとのぞいてみると、怒りに満ちていました。PCを買い換えたという人もいましたから、まだ私はましだったのです。
それにしても、ネットにつながらなくなる不具合について、その対策をメールで送るというのは、どう考えても矛盾しています。しかし、それしか情報を知らせる手段がないのも確かです。世界にはまだまだたくさんの人が、ネットがつながらずに困っているのだろうと思います。不自由な時間が長くなればなるほど、真相を知ったときの怒りは大きくなることでしょう。
2012年9月3日(月)