このごろ、電車のなかで携帯電話で通話しているのを見ることが、以前よりも増えたような気がします。一人の利用者が携帯電話で通話する頻度自体は減っているように思うので、携帯に慣れすぎて、車内であるという意識が希薄になっているのかもしれません。通話する若い人はほどんど見ないので、中高年の大人の問題です。
この前は、山手線で、優先席で通話している人を連続して見ました。割とすいている電車だったので、つい、これくらいいいやと思ってしまうのでしょう。一度などは、一つの優先席で二人が、大きな声を張り合うようにして通話していたので、びっくりでした。
で、注意したのかというと、できません。逆ギレされても怖いので、つい見て見ぬふりをしてしまいます。友達と一緒だったりすれば、聞こえよがしに「優先席で電話していいことになったのかなあ」とか言ってやるのですが、一人では勇気がありません。
いかついおじさんだったりしたら、絶対に無理です。
通話していたのではありませんが、優先席でスマホをいじっている人を、ある男性が「ここは電源を切る場所です」と注意していました。立派だなあと感心しました。注意された人は、何も言わずに、横を向いて、すっと立って移動して行きました。何だか嫌な感じと思いましたが、注意しない私も嫌な感じではあります。
ローカル線で、やはり優先席で注意した人がいました。注意された人は「通話もメールもしていないから」とやや怒り気味に言い訳をしました。「それは見ただけではわからない。自分はペースメーカーをつけていて怖いので、まぎらわしいことはしないでください」とこちらもやや怒り気味。どうなることかとハラハラして、聞くともなしに聞いていると、注意された人はそこで素直に謝り、どういう流れからか、二人の会話がしばらく続き、なぜか別れ際に名刺交換までしていました。のんびりしたローカル線ならではの光景だったのでしょう。