「人の振り見て我が振り直せ」といいますが、「我が振り」を直すのは、難しいのでしょう。
国政選挙の「1票の格差」は、違憲とする判決が出ましたように、それ自体が大きな問題でありますが、国会の対応を見ていると、腹が立つやら情けないやら、違憲よりももっと問題と思えるほどです。
国会議員の発言はいろいろ聞こえてきますが、要するに、やる気がないようです。
いわゆる「0増5減」を先行して進めるか、それでは不十分だから抜本な改革が必要だという対立になっているようですが、お互いに譲らないままに、先送りにするのを狙っているとさえ思えます。
「0増5減」が通ると、1票の格差は1.998倍にまで縮小されるそうです。ほぼ2倍で、平等といえる状態になるのでしょうか。「0増5減」は最低ラインだから賛成しろとすごむ人もいるようですが、居丈高にいえるようなものなのでしょうか。抜本な改革が必要というのは結構ですが、具体性に欠けるので、まったく迫力がありません。双方、ただ言い合うだけで、終わりなのでしょうか。
与党からは、「1票の格差」問題を、軽視する発言も聞こえてきています。
報道によると、「1票の格差がけしからんという声は聞いたことがない」とか、「選挙制度が憲法に適合するかの判断は国会に委ねられている」 とか、「裁判所の判断に誤りがないかチェックする機能が必要だ」とか、要するに、「ごちゃごちゃ外からいうな。自分たちで判断する」といいたようです。
選挙制度は、議員の先生方の命運を直接左右するものですから、他人に触れてほしくないのでしょう。違憲と言われても、「我が振り」は直さずにいたいらしいです。さらには「違憲」という口を封じ込めてしまいたいとも思っているようです。
自分の利害に対しては敏感なくせに、国民の権利に対する鈍感さは恐ろしいばかりです。このような国会議員がみんな落選するような制度にできたら気持ちいいでしょうね。