シンポジウム
公開シンポジウムは、おかげをもちまして終了いたしました。
講演に関する資料は、以下のプログラムからご覧いただけます。
第三回公開シンポジウム「エネルギー持続性への挑戦」
~低炭素社会に向けた産業界の役割~
開催日時:2009年2月26日(木)13:00~18:00
会場:丸ビルホール(東京都千代田区丸の内2-4-1丸ビル7・8階)
趣旨
世界的に金融危機が深刻化し、景気後退に直面するなかにおいても、IPCC (気候変動に関する政府間パネル)第4次報告書で示された地球温暖化の影響の深刻さやその対策のためのリードタイムを考慮すれば、長期的な視点から、地球温暖化対策に優先的に取り組む必要があります。今、直面している「歴史的危機」を、まさに「歴史的好機」と受け止め、低炭素社会へ向けた対応が、需要や雇用を生み、経済成長を支え、金融危機から脱出するための鍵となるべく、産官学が有機的に連携して将来への道筋を示し、作っていくことが、持続可能な社会の実現の観点から必要です。
我が国は、2008年のG8洞爺湖サミットにおいて、議長国として環境・気候変動に関して世界全体での取り組みに向けた合意形成に貢献しました。今後、2009年末の中長期的な温暖化対策の枠組みの国際合意に向け、自らの対策を強化するとともに、より一層強いリーダーシップを発揮することが求められています。
しかしながら、2007年度の我が国温室効果ガス排出量は前年に比べ2.3%増加しており(環境省発表速報値)、京都議定書の目標達成のためには、一層の取り組みが必要です。中でも我が国の二酸化炭素総排出量の約30%を占める産業部門を見てみると、セクトラルアプローチの推進や、企業の自主判断を前提とした国内排出量取引の試行等に積極的に取り組み始めたものの、2007年度のエネルギー起源二酸化炭素排出量は、前年比3.6%増となっています。したがって、2007年に閣議決定された「21世紀環境立国戦略」で提案されている、「世界全体の排出量を現状に比して2050年までに半減する」という長期目標の達成や、2020年頃を目指した中期目標の検討のために、産業部門のさらなる取り組みは不可欠です。
今後、現今の金融危機を乗り越え、持続可能な社会の構築を実現させるためには、民生や運輸部門も含めて、あらゆる主体が全ての面において、地球温暖化問題の解決、経済成長、資源・エネルギーの構造転換、の同時達成を目指して、取り組むことが必要です。自然共生社会、循環型社会と共に低炭素社会という側面を有する持続可能な社会を実現していくために、日本はいかなるビジョンを描き、温暖化対策、特に省エネルギーや新エネルギーに関する技術開発を促進し、それを展開、普及していくべきかが喫緊の課題となっています。
本シンポジウムでは、「低炭素社会に向けたエネルギー持続性」をテーマに、第一回はエネルギー供給の多様性について、第二回は交通、都市、住宅における技術革新について議論して参りました。シリーズ3回目の今回は、目指すべき低炭素社会においても日本の産業部門がグローバルで競争力を持ち、さらに持続的発展へ貢献していくための条件/戦略/道筋について提言を行うことを目標に、産官学の各方面からのビジョンとアプローチについての講演とそれらに基づきパネルディスカッションを行います。
概要
開催日 | 2009年2月26日(木)13:00~18:00 |
---|---|
会場 | 丸ビルホール(東京都千代田区丸の内2-4-1丸ビル7・8階) |
参加費 | 無料 |
定員 | 300名 ※定員となり次第申し込みを締め切らせていただきます。 |
主催 | 東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S) |
共催 | 昭和シェル石油株式会社 |
協力 | 三菱地所株式会社 |
お問い合わせ | 開催内容についてのご質問は下記メールアドレスにてお問い合わせ下さい。 E-mail :ir3s@ast-creative.co.jp TEL : 03-3405-1191(土、日、祝・祭日を除く10:00~17:00) |
プログラム
開会挨拶 | |
---|---|
13:00~13:05 | 武内 和彦 (東京大学 サステイナビリティ学連携研究機構 副機構長) |
13:05~13:10 | 福澤 武 (三菱地所株式会社 相談役) |
基調講演 | |
13:10~13:50 | 「新パラダイム産業で世界をリード」 資料 [PDF/2.7MB] 小宮山 宏 (東京大学総長/サステイナビリティ学連携研究機構 機構長) |
講演 | |
13:50~14:30 | 「低炭素社会構築に向けた取組の方向性」 資料 [PDF/4.7MB] 竹本 和彦 氏 (環境省 地球環境審議官) |
14:30~15:10 | 「エネルギー持続性のための低炭素電力供給システム」 資料 [PDF/3.1MB] 山地 憲治 (東京大学大学院工学系研究科 電気系工学専攻 教授) |
15:10~15:50 | 「資源循環による低炭素社会構築」 資料 [PDF/2.0MB] 平尾 雅彦 (東京大学大学院工学系研究科 化学システム工学専攻 教授) |
15:50~16:05 | 休憩 |
パネルディスカッション | |
16:05~17:55 | 「低炭素社会における持続的発展への産業界の役割と貢献」 【モデレーター】 【パネリスト】(※五十音順) |
閉会挨拶 | |
17:55~18:00 | 新井 純 (昭和シェル石油株式会社 代表取締役社長) |
注)掲載資料の無断使用・転載・複製は禁止します。
当日の様子
会場入口風景
受付風景
会場全景
IR3S副機構長/武内教授による開会挨拶
三菱地所株式会社/福澤相談役による開会挨拶
会場全景
小宮山総長による基調講演
環境省/竹本地球環境審議官
山地教授
平尾教授
パネルディスカッション全景
パネルディスカッションモデレーターの花木教授
昭和シェル石油株式会社/香藤代表取締役副会長
放送大学/鈴木教授
新日本製鐵株式會社/関澤代表取締役副社長
東京電力株式会社/桝本顧問
昭和シェル石油株式会社/新井代表取締役社長による閉会挨拶
プロフィール
小宮山 宏 Hiroshi Komiyama
◆現職
東京大学 総長
IR3S機構長
◆学歴
<1967年>東京大学工学部化学工学科卒業
<1972年>工学博士(東京大学)
◆著書・論文
『Vision 2050:Roadmap for a Sustainable Earth』(Springer、2008年)
『知識の構造化・講演』(オープンナレッジ、2007年) ほか
竹本 和彦 Kazuhiko Takemoto
◆現職
環境省 地球環境審議官
◆学歴
<1974年>東京大学工学部都市工学科卒業
<1992年>ジョンズ・ホプキンス大学高等国際研究大学院卒業
◆著書・論文
『地球環境学2 地球環境とアジア』(岩波書店 共著、1999年)
『地球環境学10 持続可能な社会システム』(岩波書店、共著、1998年) ほか
山地 憲治 Kenji Yamaji
◆現職
東京大学 大学院 工学系研究科電気系工学専攻 教授
◆学歴
<1972年>東京大学 工学部 原子力工学科卒業
<1977年>東京大学 大学院 工学系研究科 博士課程修了 工学博士(東京大学)
◆著書・論文
『水素エネルギー社会』(エネルギー・資源学会、2008年)
『システム数理工学』(数理工学者、2007年) ほか
平尾 雅彦 Masahiko Hirao
◆現職
東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻 教授
NPOグリーン購入ネットワーク副会長
◆学歴
<1981年>東京大学工学部化学工学科卒業
<1987年>東京大学大学院工学系研究科化学工学専攻博士課程満期退学
<1989年>工学博士(東京大学)
◆著書・論文
『中小企業の洗浄工程におけるVOC排出抑制対策マニュアル』(日刊工業新聞社、監修、2008年)
『使用済ペットボトルの国内リサイクルと日中間リサイクルのライフサイクル評価』(日本LCA学会誌、共著、2008年) ほか
花木 啓祐 Keisuke Hanaki
◆現職
東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 教授
IR3S兼任教授
◆学歴
<1975年>東京大学工学部都市工学科卒業
<1980年>工学博士(東京大学)
◆著書・論文
『都市環境論』(岩波書店、2004年) ほか
鈴木 基之 Motoyuki Suzuki
◆現職
放送大学教授
国際連合大学特別学術顧問
東京工業大学監事
◆学歴
<1963年>東京大学工学部化学工学科卒業
<1968年>工学博士(東京大学)
◆著書・論文
『物質循環と人間活動』(放送大学教育振興会、2008年)
『人間活動の環境影響』(放送大学教育振興会、2005年)ほか
関澤 秀哲 Hideaki Sekizawa
◆現職
新日本製鐵株式會社 代表取締役副社長
(社)日本鉄鋼連盟 環境・エネルギー政策委員会 委員長
◆学歴
<1969年>東京大学教養学部教養学科卒業
桝本 晃章 Teruaki Masumoto
◆現職
東京電力株式会社顧問
社団法人日本動力協会会長
◆学歴
<1962年>早稲田大学政治経済学部卒業
香藤 繁常 Shigeya Kato
◆現職
昭和シェル石油株式会社 代表取締役副会長
◆学歴
<1970年>中央大学法学部卒業
福澤 武 Takeshi Fukuzawa
◆現職
三菱地所株式会社 相談役
大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会 会長
慶應義塾 評議員会議長
千代田区教育委員会 教育委員
◆学歴
<1961年>慶應義塾大学 法学部 卒業
◆著書・論文
『福翁百話』(監修)(日本経営合理化協会出版局、2001年)
『丸の内経済学』(PHP出版、2000年) ほか
武内 和彦 Kazuhiko Takeuchi
◆現職
東京大学大学院 農学生命科学研究科 生圏システム学専攻 教授
IR3S副機構長
◆学歴
<1974年>東京大学理学部地理学科卒業
<1980年>農学博士(東京大学)
◆著書・論文
『地球持続学のすすめ』(岩波ジュニア新書、2007年)
『ランドスケープエコロジー』(朝倉書店、2006年) ほか
新井 純 Jun Arai
◆現職
昭和シェル石油株式会社 代表取締役社長
◆学歴
<1983年>早稲田大学大学院理工学研究 修士課程終了